BUONATOURS(ブオナツアーズ) 遥か憧れのイタリアへ。

プーリア&バジリカータ

プーリア&バジリカータの基本情報

アルベロベッロ

とんがり屋根のトゥルッリが並ぶアルベロベッロと、プーリア州・バジリカータ州を巡る旅

とんがり屋根と白い壁のかわいらしい伝統的建物「トゥルッリ Trulli」で人気のアルベロベッロは、イタリア南部のプーリア州にあります。プーリア州は靴型のイタリア半島のちょうどかかとの部分にあたり、イトリアの谷(Valle d’Itria)と呼ばれる丘陵地帯はその中部にあります。オリーブ畑とぶどう畑が延々と続くイトリアの谷にはアルベロベッロをはじめ、ロコロトンド、マルティナ・フランカ、オストゥーニ、チステルニーノといったイタリアの田舎の素朴な雰囲気が残る素敵な村がいっぱい!

また、プーリア州に隣接するバジリカータ州には洞窟住居(サッシ)で知られる世界遺産・マテーラがあるので併せて訪れてみたいところです。

プーリア&バジリカータへのアクセスと交通

飛行機でプーリア・バジリカータへ

ブリンディシ空港

この地域の空の玄関口はアドリア海のバーリにあるバーリ・パレーゼ空港 Aeroporto di Bari Palese か、その南のブリンディシにあるブリンディシ・パポラ・カザーレ空港 Aeroporto di Brindisi。いずれも日本からの直行便はありませんが、イタリア各地からは多くフライトがあり、アリタリア航空を利用してローマ(フィウミチーノ)で乗り継ぐか、季節によってはSWISS(LX)のチューリッヒ経由なども利用可能。

鉄道・バスでプーリア・バジリカータへ

鉄道でプーリア・バジリカータへ

この地域はあまり鉄道網が発達していないため、イタリアの他の地域に比べると移動難易度はやや高め。 バーリ、ブリンディシ、レッチェ、タラントといった州内の大きな街へはローマ、ミラノ、ナポリ、ボローニャなどからイタリア国鉄の列車がありますが、高速線が整備されていないため距離の割に時間が掛かります。アルベロベッロやマテーラへはバーリなどから私鉄の利用が可能ですが、本数もさほど多くなく、休日になるとさらに少なくなるため事前に時刻や運行情報をチェックする必要があります。

船でプーリア・バジリカータへ

バーリ、ブリンディシはそれぞれ大きな港があり、特にクロアチア(スプリト・ドブロブニク)、ギリシャ(パトラ・イグメニツァ)などへの便が夏を中心に多く運航されています。ギリシャ路線はユーレイルパスが有効ということもあり、古くからギリシャとイタリアを行き来するバックパッカーに人気。近年はリーズナブルな地中海クルーズコースが増えたこともあり、寄港地のひとつとしてバーリが設定されていることも多くあります。

プーリア&バジリカータの見どころガイド

アルベロベッロ Alberobello

アルベロベッロ

Image source: Fabio, size and trim modification applied. (CC BY-NC-SA 2.0)

アルベロベッロはとんがり屋根に白い壁のトゥルッリが並ぶ街で、1996年にユネスコ世界遺産にも登録されています。

トゥルッリはもともと17世紀に住居税に苦しめられていたアルベロベッロの領主と住民が、石を積み上げるだけで簡単に解体できる家を建てることで査察の目を逃れていたという、実はすごく現実的な目的で造られたもの。現在でもアルベロベッロ旧市街のモンティ地区とアイア・ピッコラ地区に数百軒のトゥルッリが残されていて、住居、商店、レストランとして利用されています。また、トゥルッリを利用したホテルも多くあるのでアルベロベッロで宿泊する際はぜひ泊まってみることをオススメします。

また、アルベロベッロを拠点にイトリアの谷の各地を周遊するのもオススメです。この周辺ではホテルの軒数も多く、シーズン中でも宿の確保もさほど難しくありません。バーリやブリンディシなど都市を拠点にすることももちろん可能ですが、旅の雰囲気や効率を考えると、アルベロベッロ拠点がベストです。

アルベロベッロへのアクセス

玄関口となるのはバーリで、バーリからは私鉄FSE SUD-EST線のバーリ〜マルティナ・フランカ〜タラントを結ぶ路線の列車で所要約1時間30分。ただし列車の運行は月曜日〜土曜日のみで、日曜日と祝日はバスによる代替運行になり本数も大幅に減便されます。

バーリ Bari

バーリ サン・ニコラ聖堂

Image source: Mark Turner, size and trim modification applied. (CC BY-NC-SA 2.0)

バーリはアドリア海川の南イタリアを代表する大都市で、南イタリア巡りの拠点・玄関口となる街です。

街の中心を通るヴィットリオ・エマヌエーレ2世通りを境に、海に面した旧市街と南の新市街に分けられています。新市街は近代になってから都市計画に基づいて設計された街で、碁盤の目のように整然とした街路が特徴。イタリア国鉄のバーリ中央駅(Bari Centrale)は新市街の南端にあります。逆に旧市街は海につきだした半島のようなエリアに広がっていて、聖堂とバーリの守護聖人を祭ったサン・ニコラ教会を中心にした丘状になっています。中央駅周辺、新市街地、港周辺の一部で治安のあまり良くないエリアがあるので注意が必要です。

バーリへのアクセス

日本から直接この地域へ向かう場合は飛行機で入るのが便利。ローマやミラノからバーリへ向かう場合は、飛行機の他鉄道や長距離バスの利用も可能ですが、かなりの長距離移動となるので時間もそれなりに掛かります。列車のバーリ中央駅までの各地からの所要時間は、ローマ・テルミニ駅(フレッチャアルジェント利用)約4時間〜4時間25分、ミラノ中央駅(フレッチャビアンカ利用)約8時間、ナポリ中央駅(カゼルタ乗換・カゼルタ〜バーリ間は(フレッチャアルジェント)約3時間35分〜4時間となっています。

ロコロトンド Locorotondo

ロコロトンド全景

ロコロトンドはアルベロベッロの隣にある村で、見どころは旧市街。この旧市街は上空からみると円状になっていて、さらにほとんどの建物の壁が白く塗られています。

実は村の名前の「ロコロトンド」とはそのまま「円形の場所」の意味で、車で村に入ると円形になっていることがよくわかる場所があります。小さな村なので、30分〜1時間もあればぐるっと1周できてしまうほどです。内部にも白い家が並び、その中にお土産屋やバールなどが立ち並んでいます。

アルベロベッロほど観光地化されていないので、全体的に人が少ない印象を受けますが、その静けさがこの「白い街」の不思議な雰囲気を一層高めてくれます。

ロコロトンドへのアクセス

ロコロトンドの駅は私鉄FSE・SUD-EST線の駅でバーリ〜タラント間を走る列車が停車します。アルベロベッロからはタラント方面へ1駅(所要約8分)で、ロコロトンド駅から旧市街までは南方向へ徒歩約10分です。ただし、列車の本数が1時間1本程度と限られることと、日曜日は代替バス輸送(1日4本程度)になってしまうこともありあまり便利とはいえません。

マルティナ・フランカ Martina Franca

マルティナ・フランカ旧市街

Image source: Carlos Mejía Greene, size and trim modification applied. (CC BY-NC-SA 2.0)

マルティナ・フランカはイトリアの谷の中では最も規模が大きい街。中心の歴史的街区(チェントロ・ストリコ Centro Storico)には見事なバロック建築の数々が並び、周辺の一帯にはアルベロベッロで見られるようなトゥルッリも点在しています。

サン・ステファノ門(Porta di San Stefano)をくぐって中心部に入り、目抜き通りのヴィットリオ・エマヌエーレ通り(Corso Vittorio Emanuele)やその奥のプリンチペ・ウンベルト通り(Via Principe Umberto)を歩くと、ロコロトンドで見たような白い壁の建物と、バロック様式のダイナミックな建物が混在しているのがよくわかります。

中でもサン・マルティーノ教会(Basilica di San Martino)、プリンチペ・ウンベルト通り沿いのサン・ドメニコ教会(Basilica di San Domenico)、旧市街入口近くにあるドゥカーレ宮殿(Palazzo Ducale)は必見です。

マルティナ・フランカへのアクセス

マルティナ・フランカの駅は私鉄FSE・SUD-EST線の駅でバーリ〜タラント間を走る列車が停車します。アルベロベッロからはタラント方面へ2駅(所要約15分)で、マルティナ・フランカ駅から旧市街までは徒歩約10分です。ただし、列車の本数が1時間1本程度と限られ、日曜日は代替バス輸送(1日4本程度)になります。駅から街までは上り坂になるので、サン・ステファノ門のあるローマ広場(Piazza Roma)まで路線バスの利用もオススメです。

オストゥーニ Ostuni

オストゥーニ旧市街

オストゥーニはいわゆるイトリアの谷と呼ばれる一帯より少しアドリア海側(東側)にある街で、見どころは新市街の北の丘の上にある「白い旧市街」。

ロコロトンドやマルティナ・フランカの旧市街と同じような直径300メートルほどの円形の街の内部はやはり迷路のようになっていて、路地や階段が入り組んでいます。ただ、他の街は円形の中に直線的に道が配置されているのに対して、オストゥーニでは中心から外周に向かって円状に道があるという違いがみられるのも面白いところ。新市街から旧市街へ通じる道の途中から旧市街を一望できる絶景スポットがあり、晴れた日や夕暮れの時間帯に美しい写真を撮ることができます。

名物の耳たぶ型パスタ・オレキエッテ(Orecchiette)を食べられるレストランが旧市街にも新市街にも多いので、一度ぜひ試してはいかがでしょうか。

オストゥーニへのアクセス

オストゥーニはイタリア国鉄の駅(オストゥーニ駅)があり、バーリ〜ブリンディシ〜レッチェを結ぶ幹線を走るES*も停車する列車があります。バーリ中央駅からはES*利用で所要約45分、レッジョナーレ(各駅停車)利用で所要約55分。ただし、駅前には全く何もなく、バス停がポツンとあるだけの寂しいところです。街へはこのバス停からのバスを利用して20分ほどで、旧市街へ行くには途中のリベルタ広場(Piazza Libertà)で下車します。

チステルニーノ Cisternino

チステルニーノ旧市街

Image source: William, size and trim modification applied. (CC BY-NC-SA 2.0)

チステルニーノもまた「白い街」のひとつですが、ここに住む人達の生活をより身近に感じるこじんまりとした旧市街が特徴です。

細い路地と階段が白い家々の間に延びていて、昼でもひっそりとした雰囲気。プーリア地方の青々とした空をバックにのんびりとした時間を愉しんでみたくなる街です。

チステルニーノへのアクセス

チステルニーノには私鉄FSE・SUD-EST線の駅があり、レッチェ〜マルティナ・フランカ間を走る列車が停車します。バーリ・アルベロベッロ方面からはマルティナ・フランカでの乗換が必要です。ただ、本数が1日10本程度しかないため列車を利用する場合は事前に運行状況の確認が必要。

カステル・デル・モンテ Castel del Monte

カステル・デル・モンテ

カステル・デル・モンテはバーリの西にあるアルタ・ムルジャ国立公園(Parco Nazionale dell’Alta Murgia)の中にある城で、1996年にユネスコ世界遺産にも登録されています。

周囲に何も無い丘の上にポツンとその城だけがある不思議な場所で、神聖ローマ帝国皇帝のフリードリヒ2世(シチリア王・フェデリコ1世)によって1240年頃に建設されたものとされています。城全体の形も、中庭も、城壁沿いの塔もすべてが八角形で構成されていて、なぜ全てが「8」を示しているのかは今となっても諸説あり、謎のままとなっています。城の建造・利用目的もハッキリとはしておらず、少なくとも居住用ではなかったことだけが分かっているものの、来客用、別荘だったとも言われています。

カステル・デル・モンテへのアクセス

カステル・デル・モンテへのアクセスは専用車の利用がオススメです。バーリから列車で近くのアンドリア(Andria)まで行きそこからバスかタクシーを利用することも可能ですが、列車は日曜日運休(バス代替輸送)、バスは夏季のみの季節運行(平日のみ)、タクシーは乗り場にいなければ自分で呼ぶ必要がある、などハードルが高めです。専用車利用の場合、バーリやアルベロベッロなどから複数の街や村をまわる行程の中にカステル・デル・モンテを組み込むこともできるので便利です。

マテーラ Matera

マテーラ サッシ地区

マテーラはよくアルベロベッロとセットで行かれる方が多いですが、ここはプーリア州よりも内陸のお隣りの州、バジリカータ州にあります。

この街の見どころはユネスコ世界遺産にも登録されている「サッシ Sassi」と呼ばれる凝灰石をくりぬいて造った住居群が広がる旧市街。イトリアの谷の白い街を見てからだと余計にこのマテーラのサッシは奇妙に見えるかもしれません。

肥沃な大地が広がるプーリア州に対し、このバジリカータ州は面積も小さく、乾燥した大地が続いていることもあって、わずかな距離しかないにも関わらずこのような違いが生まれています。もともとは修道僧の住居として利用されていたとも言われていて、20世紀中頃までは貧しい農民が住み着いていたと言われています。それ以降は打ち捨てられ廃墟と化していましたが1970年代以降は建築学的な価値が認められ、さらには世界遺産にもなったことで一転、ふたたび住居としても利用されはじめ、現在ではレストランやホテル、商店としても活用されています。

サッシの広がる旧市街には北側の「サッソ・バリサーノ地区 Sasso Barisano」と「サッソ・カヴェオーゾ地区 Sasso Caveoso」の2つがあり、その中間には13世紀に建造されたドゥオーモがあります。また、サッソ・カヴェオーゾ地区のサンタ・マリア・デ・イドリス教会(Chiesa di Santa Maria de Idris)やサン・ピエトロ・カヴェオーゾ教会(San Pietro Caveoso)などはサッシと同じように洞窟をくりぬいて建てられた教会で、こちらも注目です。

マテーラへのアクセス

マテーラへは鉄道か専用車の利用が便利です。列車の場合はバーリ中央駅から私鉄FAL(Ferrovie Applo-Lucane)線でマテーラ中央駅(Matera Centrale)まで行くことができ、所要約1時間30分。1時間に1〜2本の運行ですが、途中のアルタムーラ(Altamura)などで車両を切り離してそれぞれ別に方向へ向かうことが多いので、乗る前に駅員か車掌にマテーラ行きの車両がどれかを確認したほうが無難です。

専用車の場合、バーリ(空港/市街地)やアルベロベッロはもちろん、ナポリやアマルフィ海岸からの利用もオススメです。マテーラのサッシ地区だけなら3時間程度で見てまわることができるため、途中立ち寄りの形でマテーラに寄り、終了後に再びアルベロベッロやバーリへ向かうことが可能なので、大幅に時間の節約が可能です。

プーリア&バジリカータのオススメホテル

プーリア&バジリカータのオススメホテルについては「イタリア・ホテル予約&ガイド:ナポリ」をご参照ください。